脂漏性皮膚炎のシャンプーと言えば、皮膚科でもおすすめされる「コラージュフルフル」です。
もう定番ですね。
でも、その定番のコラージュフルフルを使っても脂漏性皮膚炎がよくならず効果を感じられないときに行ってほしい対策方法を紹介します。
コラージュフルフルで正しいシャンプーができていますか?
コラージュフルフルが効かないと思いがちですが、原因は別のところにある場合もあります。
それが正しいシャンプーができているかどうかということです。
正しいシャンプーの方法とは
①指の腹でやさしく洗う
②すすぎ残しのないように丁寧にすすぐ
③熱いお湯は使わない
④ドライヤーでしっかりと乾かす
①指の腹でやさしく洗う
脂漏性皮膚炎は肌に炎症が起きている状態なので、なるべく刺激を与えずに洗います。
爪は絶対に立てずにあくまでも優しく指の腹を使って洗います。
しかもフケがべっちゃりとついている場合が多いので、フケをふやかせて浮かして落とすイメージです。
コラージュフルフルは市販の界面活性剤が入っているシャンプーに比べるとどうしても泡立ちが劣りますが、それでもちゃんと泡立てればそれなりに泡が作れます。
しっかりと泡立てて、優しく汚れを浮かせて洗いましょう。
②すすぎ残しのないように丁寧にすすぐ
コラージュフルフルだけではなく、シャンプーが原因でトラブルが起こるのはシャンプーがきちんとすすげていないことが多いんです。
シャンプーがきちんとすすげていないと、シャンプーの成分が頭皮への刺激となります。
脂漏性皮膚炎の場合は、頭皮の肌バリア機能が壊れているので、簡単に内部にダメージを与えてしまいます。
極端に洗い流しすぎるのも油分を落としすぎて問題ですが、今までやっていたシャンプーのすすぎと比べるとしつこいくらい丁寧にやったほうがよいです。
③熱いお湯は使わない
ぬるま湯で流します。
シャワーのお湯の温度は何度になっていますか?42℃以上になっていませんか?
熱いお湯は刺激になると同時に、油分を奪いすぎてしまいます。
脂漏性皮膚炎の場合は油分よりも保湿をしっかりとして肌バリアを正常化させたほうがよいのですが、それでも油分の取りすぎは乾燥の原因となってしまうため熱すぎる温度でシャンプーを流すのはNGです。
推奨するぬるま湯は体温と同じ37℃~38℃です。
④ドライヤーでしっかりと乾かす
ドライヤーで地肌をしっかりと乾かします。
脂漏性皮膚炎の原因の1つがマラセチア菌(カビ)の増殖が原因ということが分かっています。
カビはじめじめした場所が大好き。
梅雨なんかすぐにカビが生えてしまいますよね。
それと同じで、ただでさえカビが頭皮にいるのにドライヤーで乾かさずに、自然乾燥をすると乾燥するまでに時間がかかりじめじめしたカビの大好きな場所を提供してしまうことになります。
脂漏性皮膚炎の症状が悪化するのは必然ですよね。
だから、シャンプーのあとは頭皮をしっかりと乾かしてください。
コラージュフルフルで正しいシャンプーをしても効かないときは?
しっかりと気を付けて正しいシャンプー方法でシャンプーしているのに、脂漏性皮膚炎に効かない・・まったく効果なしという場合には、コラージュフルフル自体が自分に合っていない可能性があります。
万人に効く薬がないように、万人に効くシャンプーもありません。
使っても効かないと感じたら、シャンプーを変えましょう。
今使っているコラージュフルフルがなくなってからとか自分でどこまでコラージュフルフルを使うか期間を決めておいたほうが良いです。
なんとなくだらだらと使っていても、症状が良くならず何も変わらないのであれば脂漏性皮膚炎に悩まされる期間が長くなるだけだから。
脂漏性皮膚炎がコラージュフルフルで悪化する4つの原因
注意ポイント
①菌を殺しすぎている
②正しい洗髪ができていない
③洗いすぎている
④体質に合っていない
菌を殺しすぎている
コラージュフルフルには、「ミコナゾール硝酸塩」と「ピロクトンオラミン」という成分が配合されています。硝酸塩という言葉からも想像できるかと思いますが、これらは非常に強い抗菌作用を持っています。
そのため、もともと頭皮に住んでいる菌を必要以上に殺してしまう、というデメリットも持っています。
「菌がいないほうが良いんじゃないの?」と思われるかもしれませんが、それは誤解です。
そもそも人間の肌には、表皮常在菌と呼ばれる菌が無数に生息しています。
これらの菌は、増えすぎると脂漏性皮膚炎のような問題を引き起こしますが、正常な数であれば、逆に肌を健康に保つのに不可欠な存在です。というのも、これらの菌は、古い角質を分解して肌のターンオーバーを促進したり、他の悪い雑菌が肌に付着するのを防いだりする働きがあるからです。
表皮常在菌のいなくなった肌では、古い角質が残ったままなので、なかなか新しい肌が作られません。
さらに、分解されないまま蓄積された皮脂や角質に雑菌が繁殖して、炎症やフケ、臭いなどを引き起こします。
脂漏性皮膚炎の対策として、増えすぎた菌を減らすことは必要です。しかし、減りすぎると逆効果。
菌の減りすぎで頭皮環境が悪化することにより、脂漏性皮膚炎の症状が悪化してしまうこともあるのです。
正しい洗髪ができていない
いくら良いシャンプーを使っても、洗髪方法が間違っていては元も子もありません。
シャンプーを原液のまま頭皮につけていませんか?髪の毛だけ洗って満足していませんか?
「洗髪」とは言っても、洗わなければならないのは、髪ではなくて頭皮です。
まずは、ぬるま湯で頭皮全体を軽く洗い流し、その後、よく泡立てたシャンプーをつけましょう。
爪を立ててゴシゴシ洗うのではなく、指の腹で、頭皮全体を優しくマッサージするように洗ってください。
洗い流すときは、泡が残らないように入念に流しましょう。
泡が残ると、雑菌の繁殖につながります。
また、髪の毛が濡れたまま寝ることも、カビや雑菌の繁殖の原因となります。
脂漏性皮膚炎は特にカビの1種が原因なので、しっかり乾かすことが必須です。
特に夏場は暑いので濡れたまま放置する人が多いかもしれませんが、しっかり乾かすようにしましょう。
洗いすぎている
頭皮のベタつきや臭いを気にするあまり、一日に何回も洗髪したり、時間をかけて入念に洗ったりしている人も多いかと思います。
確かに、皮脂を減らすことは、脂漏性皮膚炎の改善につながります。
しかし、もともと皮脂は肌を乾燥から守るために分泌されるもの。
洗いすぎて肌が乾燥すると、結局は皮脂の分泌につながるのです。
また、洗いすぎることによって、表皮常在菌を殺しすぎてしまうのも問題です。
ましてや、コラージュフルフルは抗菌作用のあるシャンプーです。過剰な洗髪は、必要以上の殺菌につながり、症状の悪化を促します。
体質的に合っていない
コラージュフルフルは、低刺激で赤ちゃんでも使えるシャンプーですが、中には体質的に合わないという人もいます。
たとえば、ピーナッツアレルギーがある人。
コラージュフルフルには、「塩化トリメチルアンモニオヒドロキシプロピルグァーガム」という成分が含まれています。
原材料は「グァー」という植物です。マメ科の植物であるため、ごく稀にピーナッツアレルギーに影響を及ぼすことがあります。
コラージュフルフルで症状が悪化している人で、ピーナッツアレルギーがある人は、体質的に合わない可能性が高いでしょう。
または、皮膚が極度に敏感な人。
コラージュフルフルは低刺激ですが、菌を殺す成分が入っているのですから、もちろん肌にとっても刺激はあります。
特に炎症がひどい人は、思っている以上に肌が敏感になっている可能性があります。
そのような人は、抗菌作用よりも抗炎症作用を重視したほうが良いかもしれません。
皮膚科でも原因がわからないけれど、薬が体質にあっていないということもたまにあります。
なので、コラージュフルフルが脂漏性皮膚炎にいいからと思い、症状が良くならないのにずっと使い続けるのはおすすめできません。
コラージュフルフル以外の脂漏性皮膚炎に効くシャンプーは?
コラージュフルフルが有名ですが、コラージュフルフル以外にも脂漏性皮膚炎に効くシャンプーがあります。
ネット通販でしか購入できないのですが、カダソンというシャンプーです。
このカダソンは脂漏性皮膚炎のために作られた脂漏性皮膚炎専用シャンプーなんです。
なかなか脂漏性皮膚炎専用シャンプーなんてないですよね。
コラージュフルフルも別に専用ではないですし。
なので、コラージュフルフルが効かないのなら、カダソンを試してみると良いかもしれません。